ジャニヲタとヒメアノ〜ル

ヒメアノール【hime-anole】[名詞][造語]
“アノール”とはトカゲの1科である。イグアナ科アノール属に含まれるトカゲの総称。165種ほどがある。最大の種でも全長が40cmほど。雄ののどには色彩豊かな袋状の飾りがあり、テリトリーを守るためにこの飾りを他の雄に誇示して威嚇する。南北アメリカ大陸とその周辺の島々に分布する。
{ヒメアノール=ヒメトカゲ}となるが、“ヒメトカゲ”とは体長10cmほどで猛禽類のエサにもなる小型爬虫類。つまり“ヒメアノール”とは強者の餌となる弱者を意味する。

 

ヒメアノ~ル - 作品 - Yahoo!映画

 

※ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月28日に公開された作品ですが、11月2日のDVD&BD発売を前に、今こそ感想をブログに記しておこうと思います。
まずは簡単に、わたしについて注意点を幾つか。

 

  • 森田剛を剛様と呼んでいる
  • 濱田岳を岳ちゃんと呼んでいる
  • それなりに映画は観ている
  • ジャニヲタ

 

さてと、それでは参りますか。

ヒメアノ〜ル』、純粋に面白かったです。

そもそもわたしはV6のFCに加入しているくらいには剛様のことが好きですし、岳ちゃんのことも金八時代から見守ってきて理想の男性だと信じていますから、この2人がスクリーンの中で対峙しているだけで感無量だったのですが、それらを全て差し引いても楽しめたに違いありません。

 

最も良かったのは、99分という上映時間。

初っ端からぶっ飛ばしてそのまま一気にフィニッシュってな具合にも出来たけれど、焦らす所は必要以上に焦らす。そのおかげで気持ち悪さが倍増していました。そう、ずっと気持ち悪いですこの映画。

吉田恵輔監督の作品は、『さんかく』と『ばしゃ馬さんとビッグマウス』しか観たことはありませんが、どちらも気持ち悪くて、手で触れられそうな程にリアルな気持ち悪さが持ち味の監督だと認識していたので、その点も大成功かと。

 

特に回想シーン。

高校時代の主人公森田が、同級生にBB弾で撃たれたり 、犬の糞を食べさせられたりと、なかなか過激な描写がある中で、最も強烈だったのが教室で自慰させられるシーンです。

シチュエーションが非常にエグくて、夏の蒸し暑い日、雲ひとつない青空、壁一枚隔てた学校という小さな箱で、人一人の人生に関わる事件が起きている、内外の対比がインパクト大でしたよね。逃げようと思えば逃げられるのに、どうやっても逃げられない、不条理なのに不自然じゃないのがまた絶妙で。

ただこの映画、解りやす過ぎた部分も多々あったような。

 

例えば、他人の家に不法侵入し食事を取っていた森田の元に住人が帰って来てしまい、刺し殺すシーン。殺した後すぐさま食事に戻るのは、違和感こそないものの、少々あからさまかなと。
逆に公園のベンチで喫煙を咎められた森田がタバコを揉み消し、何を言われても「吸ってません」で押し通すシーンや、居酒屋で岡田にカフェに行ったのは初めてじゃないと見抜かれ、「言ってないよ」ととぼけるシーンなんかは、日常を描きながらちょっとした不信感を抱かせるには、至極自然な魅せ方でドキドキさせられました。
あっ、森田が漫喫で小銭を確認した後、プラン変更するシーンも何だか印象に残っています。

 

原作未読のわたしには、森田のキャラクターに関して何個か疑問も残ったのですが、一つは森田の殺し方に一貫性がないこと。
海外ドラマで得た拙い知識だと、殺人でしか性的興奮を得られないシリアルキラーは大概にして勃起障害なのですが、森田の場合はレイプもします。そして絞殺、撲殺、刺殺、更には放火まで、手段を選ばず何でもします。所謂無秩序型と呼ばれるタイプ。警官から奪った拳銃を海に捨てたり、岡田の母親に友人を装って電話したりと、知能指数は高いはずが、ユカの部屋のドアをしつこく蹴って隣の住人にバレるし、いまいち背景が見えなかった部分も。

映画ではユカに執着した理由が描かれてません。各々ググりましょう。

 

漫画の実写化には多少の相違は付き物ですから、もっともっとインタビュー記事等読み漁るべきかもしれません。だって、前半パートと後半パートで変化を出す為に、後半パートは手持ちのカメラに切り替えてるとパンフで監督が仰っていて、膝を打ちましたもん。パンフ、実に読み応えあります。

 

まあ、でもパンフやフライヤーには、勿論好意的なレビューしか載らないわけでして、ただでさえジャニヲタというのはどうしても盲目な面がありますし、某サイトで評価の低いレビューをあえて検索してみました。すると、「森田くんがイケメン過ぎて面白くない」や、「森田の演技は誰にでも出来る」など、剛様に対する批判コメントが。

 

いや、ごめんそこじゃない!!!!!!

 

ジャニヲタ目線で一番重要なのは、ジャニーズ事務所所属の“V6森田剛”が、本作のオファーを快諾した事実であって、その決断を評価されるべきだと思うのです。だってジャニーズが犬の糞食べさせられるんですよ。死体を前に自慰行為に及ぶんですよ。レイプしようとした相手が生理でイラッとするんですよ。ローターで首絞められるんですよ。この「誰にでも出来る」しんどい役を、剛様はV6の結成20周年シーズンに演じていたと、今一度頭に入れてご覧頂きたいです。 剛様が森田を演じたことにより、ジャニーズの可能性が広がりました。ジャニーズ出演の映像作品としては、2001年のドラマ『ネバーランド』にて、今井翼に好意を抱いていた田中聖が山崎裕太に犯され自殺する少年を演じた以来の衝撃です。何より共演した岳ちゃんが、パンフでこう言っています。

 

「とにかく森田さんが理解しがたい役柄をここまでやり通したところが、この映画のみどころだと思います。」

 

ヒメアノ〜ル』に感謝を。

 

剛様に敬意を表して。

 

まだDVDもBDも予約してないけど。