無知な事務所担から見たジャニーズJr.〜岩橋玄樹編〜

最初、岩橋くんには何の興味もなかった。

今でも特別詳しいわけではない。

彼に注目したきっかけは、少クラ内のコーナー、“Jr.にQ”である。

その回のテーマは、“その時ボクの歴史が動いた”、内容は以下の通りだ。



岩橋「2年前の初めてのジャニーズワールドで、神宮寺と僕がセンターになる曲があって。踊って楽屋に帰ったんですよ。そしたら振付師の方に、後輩のちっちゃい子とか居る前で、『岩橋はセンターに向いてない。神宮寺の方が人気もあるし、何でお前センターなんだ。』それをみんなの前で言われて。」
河合「それは悔しいよな〜」
戸塚「神宮寺には神宮寺の良さがあって、岩橋くんには岩橋くんの良さがあるからね。」
岩橋「でもそれがあったからこそ、今神宮寺と2人で引っ張っていけるというか、今の自分が居るかなって。今は感謝してますね。言ってくれたこと。」



偉そうに聞こえるかもしれないが、大した子だな、と思った。
怒られて這い上がる、そんなイメージが全くなかったからだ。
テレビなのでオブラートに包んでいるだけで、実際にはもっと辛辣な言葉を浴びせられたのではないかと想像する。

当時の岩橋くんは知らない。

しかし現在の岩橋くんは、当たり前のように神宮寺くんのシンメに立ち、“じぐいわ”を不動のものにしている。
そこには相当な努力や葛藤、覚悟があったに違いない。
以来岩橋玄樹は、わたしの中で“男らしい男の子”として認定された。
女装して原宿を闊歩している姿にも、神宮寺くんの胸に身体を預けている姿にも、“女の子っぽい”キャラクターを見事に自己プロデュースする“勇ましさ”を感じていた。

そして彼の負けん気の強さを改めて見せ付けられたのが、ガムシャラの企画で挑戦したストラックアウトである。
結果的には1度も成功することなく終わったのだが、何よりも本気だったのだ。
そう、岩橋くんは練習からずっと本気だった。
更にこの時、おじいちゃんが好きだからという理由で、マイグローブに“おじいちゃん”と刺繍してある衝撃の事実が明らかになり、わたしが日頃ジャニーズに対し重要視している、“独自のセンス”までボールと共にぶん投げてきた。

あと、これはつい最近だが、たまたま家にあったいつのか分からない女性自身に載っていた岩橋くんのコメントを何となく読み、この記事を書くまでに至った。
彼は自分について事もなげにこう言っていた。



「僕は才能がないので」



一見ネガティブな表現にも思えるが、彼はあくまで前だけ見据えているのだ。
自らの限界を知っている者にとって、“デビュー”までのこれからはとても険しい道になるだろう。
もちろんはっきりと「才能がない」と言える彼には強みもあるし、いや、もしかしたら逆に怖いものはないのかもしれない。
だからこそ応援したくなる。
わたしは決して“いわち”とは呼ばない。
橋玄樹は、“男らしい”から。